TRADITION for TOMORROW: KYOTO CRAFTS and DESIGN COMPETITION 2024-2025 展
2024-2025
受賞作品
グランプリ:「ボンボウニエール」
株式会社表望堂 島本 恵未
作品概要
フランスで小さなお菓子を入れるボンボニエールとウニを組み合わせた”ボンボウニエール”。ウニの殻を漆で強化し、蓋を誂え容器に仕立てました。お菓子入れや一客一亭の茶器、小さな宝箱にもなる可愛い器です。茶道には見立てという文化があります。桜を雪、紅葉を錦に例えるように、用途の違うものや捨てられるものを茶道具に見立てます。美しい自然物の形を留める事も漆の仕事の一つ、道具として生まれ変わった姿を愛でて頂ければと思います。
工芸分野
京漆芸
使用素材
ウニの殻、漆、麻布、木、金箔
選定理由
廃棄されてしまうウニの殻という現代の社会課題・環境問題に対し、見立ての文化と京漆芸の技術を用いて工芸的価値へと昇華させた点が非常に高く評価されました。ウニの美しい自然の造形に漆や箔を施すことで、独創的で愛らしい姿を生み出しています。理屈を超えた魅力と優れたストーリー性、そして伝統工芸のこれからの可能性と未来を感じさせる説得力がグランプリ受賞の決め手となりました。
学生部門賞:「御神木皮の御朱印帳」
京都工芸繊維大学大学院 粟竹 知佳
作品概要
京唐紙の技法や質感を残しながら現代のデジタル手法を取り入れることで、日常のプロダクトに昇華する新たな可能性を模索しています。この作品は江戸時代から続く御朱印帳と御神木に着目し、京都の神社を回り御神木の表皮を撮影した後、2Dのデータに変換し、レーザー彫刻で版木を作成しました。表紙にはそれぞれ色紙を使って雲母引(きらびき)をすることで、淡くなった色紙が上品に光を反射し神聖な印象を与えています。
工芸分野
唐紙
使用素材
紙
選定理由
京唐紙などの伝統技法とデジタル技術(レーザー彫刻等)を美しく融合させ、目に見えない信仰や物語を現代のプロダクトとして見事に可視化した点が評価されました。現今のニーズや手にする人の気持ちによく寄り添っており、ただの柄ではない精神的な充足感と新たな価値を生み出しています。製品としての完成度・実現性が高く、将来的な発展と可能性を大いに期待させる優れた作品です。
オーディエンス賞:「Bombyx Coat」
N’s 1182 前田 雄亮
作品概要
西陣織を使用した和洋折衷のコート。平安時代の装束からインスピレーションを受け日本の伝統衣服にある受け継がれてきたデザイン性と現代生活のデザインを混在させることで伝統工芸ならではのデザインを創造しています。作品名のBombyxには、カイコ科の真のカイコまたは桑のカイコの属という意味があります。絹を使用した西陣織は長い歴史を経て現在の伝統工芸となりました。多くの職人たちが技術を磨き上げた絹織物製品の最高傑作であるといった意味を込めてこの作品名となりました。用の美を追求した伝統工芸ブランドN’s 1182の「本物の価値の再定義」であるコンセプトに沿った製品になっています。
工芸分野
西陣織
使用素材
西陣織帯地、黒紋付染
選定理由
オーディエンス賞は 2月13日~28日の投票期間中に、作品展来場者の一般投票で選ばれた賞です。888票の有効投票のうち本作品は最多の50票を獲得し、オーディエンス賞に選定されました。
審査員特別賞(6名の審査員が各1作品を選定)
池坊専宗審査員 選定:Bon’s
京都市立芸術大学 柴田 瑞希
作品概要
私は自然美と人工美が調和した盆栽の造形に魅力を感じ、盆栽をモチーフに制作しています。また身体の曲線や量感にも興味をもっており、盆栽の曲線に身体との共通部分を見出し、造形しています。今回の作品では、ふくよかな女性が座っている姿をイメージして作りました。葉の部分には墨流し技法を使用し、葉の色に変化をつけてみました。
石井聖己審査員 選定:”裂”rd
川端デニム製作所 川端 晃
作品概要
『手織りならではの技法でデニムを表現する』
着物の産地「京都・丹後」で脈々と受け継がれてきた手織りの技法の一つ「裂織」
古い着物や古布を裂いて織り込むアップサイクルなこの技法を、デニムという世界中で愛されるテキスタイルに落とし込み、ベーシックなジャケットのモデル「"裂"rd」を仕立てました。
この作品を通して、デニムのように日常に馴染み愛されるような工芸の在り方を提案していきたいと思います。
上田元治審査員 選定:CUP CHIRIMEN
CIJIMU 臼井 勇人
作品概要
織り上げた後に縮めて表情をつくる丹後ちりめん特有の精練工程に着目し、予め縫製を施した生地を3分間お湯に浸して縮め、おにぎり型巾着袋をつくる体験キット。 丹後ちりめん独特の生地表情づくりの体験を通して丹後ちりめんや産地に興味をもってもらえるきっかけとなる商品として開発した。
SHOWKO審査員 選定:明々
齋田石材店 齋田 隆朗
作品概要
日本のもてなし文化にインスパイアされた石皿「明々」は、和菓子の魅力を引き立てる器です。丸みのあるフォルムと緩やかな立ち上がりが機能性を持たせつつ、石の柔らかさを表現。5代にわたる齋田石材店の伝統技術「ノミ仕上げ」の繊細な起伏は、職人技を指先で感じられます。「明々」という名は銘々皿と明暗の美しい調和を意味しています。造形美と実用性を兼ね備えたこの逸品は、和の心を感じるひとときをお届けします。
鈴木修司審査員 選定:バクトリア型カクテルボウル
studio balance 大川 翔吾
作品概要
漆の伝統を守りつつ、現代のライフスタイルに適応した新たな器を開発しました。サトウキビ由来のエコ素材を3Dプリントし、漆の塗膜で強化。木地師職人の減少という課題に向き合い、デジタル技術を活用することで複製性を高め、安定供給を実現。古代バクトリア王朝の石器デザインを取り入れ、細やかな意匠を再現。バーやレストランでショートカクテルや小鉢として活用できる、次世代の漆器です。
渡邉ゆかり審査員 選定:Blossom
しつらへ 藤田 卓也
作品概要
しつらへ(SHITSURAE KYOTO)は、日本の伝統的なデザインと技術を土台に、現代のライフスタイルに適う工芸品をつくるブランドです。
Blossomは、伝統的な蓮華のデザインに着想を得て、松材で彫刻後、カラフルな本漆で塗り上げています。
花弁はスプーンと小皿になっており、使用する前はダイニングの中央で鮮やかな蓮池を表現します。
花弁をランダムに散りばめれば、満開の花から散りゆく儚さを演出します。
みやこめっせ社長賞(主催者による特別賞、2作品)
御雛
横大路智也、横大路伸子
作品概要
木彫の工房を営む夫婦が、我が子のために制作したお雛様です。
樹齢300年を超える木曽檜を用いて彫り上げました。
皇室のご成婚の儀を参考に束帯や十二単を再現、優雅さと気品を兼ね備えた立ち姿を目指しました。
截金(きりかね)は仏像や仏画に用いられる伝統技法で、髪の毛ほど細い金箔やプラチナ箔で繊細な模様を施します。截金を手がけたのは、截金師の鷲尾美陽子氏。人間国宝・江里佐代子氏に師事した経歴を持つ職人です。
ホログラム
NIEI (にえい)
作品概要
光の波が柔らかく変化していく様を大鉢に表現しました。
審査員
京都に生まれ高校まで過ごした後、慶應義塾大学理工学部入学、東京大学法学部入学。 東京大学卒業時に成績優秀として「卓越」受賞。華道家元池坊青年部代表を務める。自分の生けた花を撮影し写真としても表現するかたわら、祈りの展示「MOVING」をJR京都伊勢丹で行う。東京国立博物館アンバサダー。講座「いけばなの補助線」や文筆、デモンストレーションなど様々な形で花を生ける意味を伝え続けている。信条は「光を感じ、草木の命をまなざすこと」。
プロダクトデザイナー
京都を拠点に活動しており、国内外の様々なクライアントと協働し、戦略開発からアウトプットまで一貫したデザイン活動を行う。
iF DESIGN AWARD, Good Design Award GOOD DESIGN BEST 100, ほぼ日作品大賞 銀賞, James Dyson Award 国内最優秀賞, その他受賞多数
CCC アートラボ コンテンツ事業 グループリーダー
1997年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社入社。本、映画、音楽といったコンテンツを、店舗での販売、レンタル、上映やイベントなど様々なかたちで提供する。2011年に代官山 蔦屋書店の立ち上げ、2015年には二子玉川 蔦屋家電の立ち上げを担当。以来、住まいの提案、子ども向け教育事業など、「生活提案」事業の開発に従事。
現在はCCC アートラボにて、出版、商品開発などアートを軸としたコンテンツ開発を手掛ける。
京都で330年続く茶陶の窯元「真葛焼(まくずやき)」に生まれ、現在、陶磁器ブランドSIONE主宰。銀閣寺の近くに直営店をオープンし、活躍の幅を世界にも広げている。
また、他社の新規事業立ち上げや、ブランディング、工芸の哲学を活かしたコーチングなど人々の人生を心地よく幸せにしていく事業にも注力。著書に累計5万部(2023年6月現在)の『感性のある人が習慣にしていること』(クロスメディア・パブリッシング)他。
シニアクリエイティブディレクター
1976年生まれ。三重県松阪市出身、鎌倉市在住。1998年にビームス入社。ショップスタッフを経て、“fennica”のMD(マーチャンダイザー)、B:MING by BEAMS”のバイヤーを担当。現在は“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクターに従事する。「ビームス ジャパン銘品のススメ」著者、「小学生からの都道府県おでかけ図鑑」監修。
ブランドマネージャー
大学卒業後、㈱アミューズ 番組制作部で勤務。その後NHKに移籍し、社会情報番組部においてNHK総合「土曜オアシス」「萬田久子の流行見聞録」「とびっきり京都」など日本の伝統文化・工芸を扱うTV番組のディレクターを経て、2001年化粧品会社ドクタープログラム㈱取締役に就任。2011年から京都府 京都伝統工芸協議会アドバイザー・京ものデザインコンペ審査員に就任。
2012年化粧品会社㈱クオリティファーストを設立し代表取締役としてシートマスクカテゴリーで日本一の売上を記録後、オーストラリア移住。帰国後はブランドマネージャーとして復帰。
展覧会の見どころ
優れた作品を展示しました。
会場では来場者による投票が行われ、「オーディエンス賞」が決定されました。
(投票期間:2月13日(木)~2月28日(金)、観覧券をご購入いただいた方に投票用紙を配布)
展覧会|開催概要
2025年2月13日(木)~3月23日(日) ※休館日 2月16日(日)、2月25日(火)、3月10日(月)
10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※2月14日・15日は、19:00まで開館(入館は18:30まで)
京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
(京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 京都市勧業館みやこめっせ 地下1階)
一般500円(大学生含む)、小中高生400円
- ・未就学児は無料
- ・障がい者手帳を提示の方本人および介添人1名まで無料
- ・京都市内在住 70歳以上の方は無料(入館時に証明できるものを提示)
- ・京都市内在住または通学の 小中学生・高校生は無料(入館時に証明できるものを提示)
- ・和装の方は無料
- 主催・事務局:京都伝統産業ミュージアム(株式会社京都産業振興センター)
- 共催:公益財団法人京都伝統産業交流センター
- 後援:京都新聞、KBS京都
- 協力:京都府、京都市、京都・大学ミュージアム連携
