第2回 京都クラフトアンドデザインコンペティション「TRADITION for TOMORROW」展
2025-2026
受賞作品
グランプリ:「BENCH ”A”」
ドイケイイチ
作品概要
京都府産のヒノキを使用した、シンプルながらも緻密な設計の二人掛けベンチ。
工芸分野
木工
使用素材
檜(京都府産)
選定理由
・林業課題へのアプローチ
建材としての活用が主である針葉樹(ヒノキ)に対し、家具としての付加価値を与えることで、生活者に届ける新たな手法を提示。
・抑制された美学と技術
強度を確保しつつ、見る角度によって軽やかに見えるライン取りや、京都らしい抑制の効いた手仕事の精度が非常に高く評価されました。
・汎用性
商業施設から公共空間まで、現代の環境に調和するプロダクトとしての完成度が際立っていました。
準グランプリ:「POP松竹梅」
三宅工芸 × 京都精華大学
作品概要
和装花嫁衣装の装飾技法「金彩」を施した、家庭での洗濯も可能なスウェットシャツ。
工芸分野
金彩・京友禅
使用素材
綿、銀箔、金属箔
選定理由
・工芸の日常化
ハレの日のイメージが強い「金彩」を、ポップなデザインで日常着に昇華。伝統技法を押し付けることなく、軽快に現代のファッションへ取り入れています。
・実用性の担保
耐久性が求められるアパレルにおいて、伝統技法をウォッシャブル(洗濯可能)なアイテムとして定着させた技術的工夫が評価されました。
学生部門賞:「ラミージーンズ試作型 – アキヅ」
沖縄県立芸術大学大学院 大月 凪
作品概要
沖縄の伝統的織物(ラミー/苧麻)を用い、琉球藍や天然染料で染め上げたジーンズ。
工芸分野
織
使用素材
経糸:ラミー(染色:琉球藍、インド茜) ラミー(染色:フクギ)
選定理由
・素材の再解釈
従来のデニムにはないラミー特有の「シャリ感」や「透け感」を活かし、暑い地域に適した実用着として再構築。
・コンセプトの深さ
ジーンズという労働着のアイコンに伝統技法を掛け合わせ、地域文化へのメッセージを込めた芸術性の高さが感銘を与えました。
オーディエンス賞:「ハイスツール」
古谷 禎朗
作品概要
京都相国寺の欅(けやき)を使用し、拭き漆で仕上げたカウンタースツール。伝統的な指物技術である「角ホゾ」で組み上げ、全ての接合部を滑らかに削り出すことで、面が自然に流れる造形を実現しています。深い座刳り(ざぐり)と腰を支える立ち上がりにより、身体にフィットする実用的な座り心地を追求しています。
工芸分野
木工
使用素材
欅、漆
選定理由
オーディエンス賞は 2月7日〜3月8日の投票期間中に、作品展来場者の一般投票で選ばれた賞です。1,441票の投票のうち本作品は最多の89票を獲得し、オーディエンス賞に選定されました。
審査員特別賞(2作品)
創扇あおぎ
株式会社清水商店
作品概要
扇骨(中骨)を使わない独自の構造で、扇ぐ道具としても飾り扇としても楽しめる新しい形の扇。
馳走金具御膳【寿司】
東京藝術大学大学院 藤本 春華
作品概要
伝統的な彫金・打ち出し技法を駆使し、金属の化学変化による発色のみで寿司の鮮やかな色彩を再現した工芸作品。
みやこめっせ社長賞(主催者による特別賞、2作品)
筒型組子細工行燈「望郷」
佐伯 崇広
作品概要
従来は四角形や多角形が主流の組子細工を、試行錯誤の末に筒型へと組み上げた行燈。二重菱などの伝統柄を組み合わせ、故郷の山並みを表現しています。
陽陰|二相を奏でる西陣織ドレス
HOUSE of DAISHO
作品概要
母娘が同じ西陣織を帯やドレスとして共に纏う「体験」を提案し、結婚式における感情を「陽と陰」に見立てて仕立てた2着の西陣織ドレス。
審査員
京都に生まれ高校まで過ごした後、慶應義塾大学理工学部入学、東京大学法学部入学。 東京大学卒業時に成績優秀として「卓越」受賞。華道家元池坊青年部代表を務める。自分の生けた花を撮影し写真としても表現するかたわら、祈りの展示「MOVING」をJR京都伊勢丹で行う。東京国立博物館アンバサダー。講座「いけばなの補助線」や文筆、デモンストレーションなど様々な形で花を生ける意味を伝え続けている。信条は「光を感じ、草木の命をまなざすこと」。
1986年生まれ。京都府出身。
京都を拠点に活動しており、国内外の様々なクライアントと協働し、戦略開発からアウトプットまで一貫してサポートしている。表面化している課題の解決だけでなく、将来に渡る本質的な課題解決や持続可能な価値創造の実現を目指している。また、アイデアの源泉として日々の生活における無意識な感情や衝動をきっかけに、素材のもつ表情を大切にし、シンプルな造形にこだわりデザインしている。
iF DESIGN AWARD, Good Design Award / GOOD DESIGN BEST 100, ほぼ日作品大賞 / 銀賞, James Dyson Award / 国内最優秀賞, MUJI AWARD 04 / 入選, その他受賞多数。
代表取締役社長| Founder & CEO
スイス・ザンクトガレン生まれ。日本の伝統文化に造詣の深い母の影響を受けて育ち、チューリッヒ芸術大学でビジュアルコミュニケーションを学ぶ。卒業後は東京やシリコンバレーのテック業界で10年以上にわたりデジタルプロダクトデザイナーとして活躍し、Twitter本社でも重要プロジェクトを主導。
地域社会とのつながりや持続可能なものづくりを求めて帰国後、母とともに日本各地の職人を訪ね、伝統工芸の現状に触れたことをきっかけに、2020年に京都でPieces of Japan株式会社を創業。日本の工芸を次世代につなぐライフスタイルブランド「POJ Studio」を立ち上げ、商品開発から国際展開まで手がける。
シニアクリエイティブディレクター
1976年生まれ。三重県松阪市出身、鎌倉市在住。1998年にビームス入社。ショップスタッフを経て、“fennica”のMD(マーチャンダイザー)、B:MING by BEAMS”のバイヤーを担当。現在は“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクターに従事する。「ビームス ジャパン銘品のススメ」著者、「小学生からの都道府県おでかけ図鑑」監修。
代表取締役・デザイナー
京都生まれ。 インテリアデザイン、ホテルアートワーク監修、和素材を活かしたプロダクトデザインを手がける。「出会いは新しい創造力を生む」をコンセプトに、伝統素材や技術に現代的視点を融合させ、国内外でクラフトアート or プロダクトの新たな価値創造に取り組む。
主な実績に、マリオットホテル北京「お茶会コーディネート」、フォーシーズンズホテル京都「ミーティングルーム木友禅染アートマネジメント」、ROKU Kyoto LXR Hotels & Resorts「アートワーク総合監修」など。
展覧会の見どころ
約70点の入選作品の展示
本展では、京都にゆかりのある作り手を対象とした「職人・作家部門」と、全国の芸術系大学生・専門学校生を対象とした「学生部門」から、審査を通じて選ばれた作品約70点を展示します。
今年度のテーマは、「守・破・創(しゅ・は・そう):伝統工芸の継承と革新」。受け継がれてきた技や価値観を大切にしながら、既存の枠組みを見つめ直し、新たな価値や表現を創り出す意欲的な作品が揃います。
時代の変化を見据え、伝統を活かしながら新たな工芸の可能性を拓く——そのような作品による創意工夫と挑戦を、ぜひ会場でご覧ください。
・投票期間:2026年2月7日(土)〜3月8日(日)
・投票方法:
① 観覧券購入時に配布する投票用紙をお受け取りください。
② 展示作品をじっくりご覧いただき、お気に入りの作品を選んでください。
③ 投票箱に投票用紙を投函して完了です。
会期中の2月8日(日)には、京都市交響楽団による創立70周年記念事業アンサンブルコンサート「工芸」の音楽会を開催。工芸の展示空間の中で音楽を楽しめる、特別なプログラムです。
・日時:2026年2月8日(日)11:00〜11:45
・申込:不要(本展の観覧料でご鑑賞いただけます)
・会場:京都伝統産業ミュージアム
展覧会|開催概要
2026年2月7日(土)〜3月22日(日)※休館日:2月15日(日)、2月24日(火)
10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※2/13・14は、19:00まで開館(入館は18:30まで)
京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
(京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 京都市勧業館みやこめっせ 地下1階)
一般:500円(大学生含む)、小中高生:400円
- ・未就学児は無料
- ・障がい者手帳を提示の方本人および介添人1名まで無料
- ・京都市内在住 70歳以上の方は無料(入館時に証明できるものを提示)
- ・京都市内在住または通学の 小中学生・高校生は無料(入館時に証明できるものを提示)
- ・和装の方は無料
- 主催:京都伝統産業ミュージアム
(株式会社京都産業振興センター) - 共催:公益財団法人京都伝統産業交流センター
- 協賛:株式会社強羅花壇
THE HOTEL HIGASHIYAMA KYOTO TOKYU, A Pan Pacific Hotel、京都東急ホテル - 後援:京都新聞、KBS京都
- 協力:京都府、京都市、京都・大学ミュージアム連携
